小学校の習字の授業で、左利きのお子さんが右手で書くように指導されたという経験をもつ方は大勢いらっしゃると思います。
では、それぞれの個性を尊重していこうというこの時代にどうして習字に関しては右手で書かなくてはならないのか...この疑問について今回は解説していきたいと思います。
実は、文字は右利きで書くように作られている??
実は、文字は右利きの人が書くように作られているんです。ですから単純に左手では文字が書きにくいのです。
もっと言ってしまえば、書きにくくて当然なのかもしれません。
ですから、左利きの方で「私は字が下手だ・・・」なんて落ちこまなくて良いんです。
下手な話、それでも自分が気にならなければそのままでもよいと思います。
何か人よりもマイナスな部分を補うことに必死になるよりも、その時に自分が興味あることを選んで努力する方が良いと私は思うからです。
また、子供の頃は全然気にならなかったのに大人になった時に、「もっと綺麗な字を書きたい・・・」と思う場面もあるでしょう。
そしたらその時に教室に習いに行ったり、教材を取り寄せて独学するので十分だと思います。
そして勿論「今」気になるようでしたら、習字教室に通い、綺麗な字が書けるように頑張ってみるべきでしょう。
因みに私の妹は左利きです。
左利きが原因なのかはそれはわかりませんが、自分でも「私の字、きたないよ」と認めているほど、お世辞でも綺麗な字とは言えません。
でも彼女はまるでそれを気にしていないようです。(^^♪
さて話を戻します。
ではどうして鉛筆で書く時には、「右手じゃないとダメ!」と言われたりしないのに、習字に限っては右手で書くように言われるのでしょうか。
歴史を学ぶため。
単純に歴史を学ぎ、感じえるためであるでしょう。
正しい書き順や筆遣いを学ぶには、右利きで書くことで学べることも、感じることもあります。
文字のバランスをとるため。
毛筆で形の整った字を書くのは、鉛筆で字を書くよりも高度なことであり難しいです。
それは、筆の入れ方、とめ方、はね、はらいなどと言った字を形成する大事なポイントが右利きにとても有利であり、それらは毛筆で書くことで一層繊細に表れるからです。
また、力の入り方までもが毛筆の場合非常鮮明に表れてしまいますね。
丁寧に書こうとして棒線がなんだか歪になってしまったりした経験をお持ちの方も少なくないでしょう。
また、左利きだと書いている文字が隠れて見えにくくなることが多くあります。
例えば横線は、左か右に線を書きますよね。
右利きならば、左から右に書いた字を確認しながらバランスをとって筆をひくことができますが、左利きの人だとそうはいきません。
ピンと来ない方は実際に右手で右から左に線を引いてみましょう。
ーーーいかがでしょうか。
書けるは書けますが、人は無意識にも書いている字を確認しながらバランスをとって字を書きます。この動作ができないとやはり不安ですし、字全体のバランスをとるのがとても大変になります。
毛筆は右で書くのが有利
なんとなく、習字の授業で右手で書くように言われるのかが分かって頂けたでしょうか。
左利きの人でも、毛筆で書く場合に限ってはやはり右で書いたほうが書きやすい、(そこまではいかなくても、右手で書く方がマシ)という声も聞きます。
ですから左利きの方にとっては、「どうして左手で書いちゃいけないの?」と不愉快な想いをすることもあると思いますが、【習字】に関しては、鉛筆で字を書くのとは切り離して考えた方がすんなりと望めるかもしれません。
また、左利きの中にも種類があり、習字で右利きで字を書いたことがきっかけとなって両利きになる人、そこまでいかなくとも字を書く事に関しては両手で書けるようになる人、全くもって右利きで書くのには慣れない人と人それぞれです。ですから自分がどれに当てはまるのかを検証するような軽い気持ちで臨んでみるのも良いでしょう。(*^-^*)